先日、妻からも「あの朝の忙しい時間帯に食器を自分で洗わなければならないのはとても大変だから何とかしてほしい」という要望が・・・
予算もあまりないことですし、いろいろ考え抜いた結果、キッチンの上に乗せる後付けタイプの卓上食洗機を中古で購入し、自分で取り付けてみることにしました。
この食器洗い乾燥機の設置にかかった費用は約25000円(中古本体16000円、部品代9000円)で、作業時間は2時間ほどという感じ。
取り付けで苦労した点は、キッチンの蛇口に合ったタイプの分岐水栓をどうやって選ぶのかということと、アース配線をどうやって接続するのかということ。
今回は、このような卓上食洗機を自分で取り付ける方法について、部品の取り寄せ方から具体的な取り付け方法まで、写真付きで詳しくお話していきます。
食洗機を取り付けるために必要なもの
まず始めに、食洗機を取り付けるために必要なものについてお話していきます。
食器洗い乾燥機本体
まず始めにお話しておきたいのは食洗機の本体で、ここでのポイントは食洗機本体をどうやって安く手に入れるかということについてになってくると思います。
家電量販店などをふらっと見回してみてもらうと分かるのですが、新品の卓上食洗機を購入しようとすると、新型だと7~8万円、型落ち品で約3~4万円と、それだけでも結構な額のお金が必要になってしまいます。
我が家の場合、今回の食洗機を設置するために使えるお金は3万円までと事前に決められていたので、食洗機は新品で購入するのではなく、中古で購入することにしました。
食洗機のことを色々と調べて分かったのですが、現在のところこのような家庭用の卓上食洗機を生産しているメーカーはPanasonic(パナソニック)1社だけになってしまっているようです。
ヤフオクなどで中古の食洗機を探すとパナソニック以外のメーカーのものもあり、それらの多くは1万円以下という破格で落札できそうな雰囲気でしたが、今後のメンテナンス(部品調達面など)を考えると、少し高くはなりますがパナソニック製のものを選んでおいた方がいいと思います。
ということで、今回ヤフオクで購入したのはこの食洗機(中古)です。
この食洗機は、PanasonicのNP-TR6(6人用、食器点数53点、2013年製)という型番の食洗機で、先ほど紹介した量販店に置かれていた最新モデル(NP-TR9)より3世代前の製品です。
新品だと約80,000円もするものが、中古だと約16,000円という格安で手に入れることができますので、参考にしてみてください。
分岐水栓
次に必要な物が分岐水栓です。
分岐水栓とは、食洗機に水やお湯を供給するためのホースを接続するためのパーツのことです。
分岐水栓は蛇口のメーカー毎に異なる形状になっているので、自分で自宅の給水栓にあったタイプの分岐水栓を探さなければなりません。
例えば、我が家の場合、蛇口の横にあるシールを確認すると、蛇口のメーカーはTAKAGIであることがわかります。
ここで、ネットで「TAKAGI 分岐水栓 食洗機」などと検索すると、このような分岐給水栓の対応表が見つかってきます。
ここでもう一度先ほどの蛇口のシールを確認すると、品番が「JA1031・・・・」とあるので、蛇口のシリーズは「JA1000シリーズ」であり、それに対応する分岐水栓は「JH9014(タカギ)」または「CB-STKA6(Panasonic)」であることが分かりました。
なるほど、同じ部品でもタカギが販売するか、Panasonicが販売するかによって品番が異なっているようですね。
後は、ネットで「JH9014 分岐水栓」などと検索すると、目的の分岐水栓を販売しているお店がいくつかみつかりますので、そこで分岐水栓を購入していきましょう。
分岐水栓の相場は約1万円前後で、中古ではほとんど出回らない部品なので、新品で購入しておいてくださいね。
ちなみに、我が家のように分岐水栓を取り付けられないタイプの蛇口が付いている場合は、キッチンの中にある止水栓に取り付ける「給水コンセント」というものを使って給水ホースを接続している人もいますので、ご紹介しておきます。
取り付けると以下のようになります。
シンク下の扉をあけて、食洗機の給水ホースに接続します。
ホースの位置を中央よりにすれば、もう少し扉はしまります。
プラスドライバー
自分で食洗機を取り付けるにあたって必要になってくるのがプラスドライバーです。
分岐水栓を取り付ける前の蛇口を分解する工程で使いますので、準備しておいてくださいね。
モンキーレンチ(広口)
プラスドライバーと同様に、分岐水栓を分解する時の使うのが口が大きく広がるタイプのモンキーレンチ(またはモーターレンチ)です。
我が家の蛇口の場合、32mmのナットパーツを外す必要があったので、事前にネットなどで使用する型番の分岐水栓の説明書などを入手し、調べておくと良いでしょう。
説明書に書かれているモーターレンチはそこそこの値段がしますが、35mmぐらいまで広がるような広口のモンキーレンチであれば、ホームセンターなどで1500円程度で購入することができますので、ご参考まで。
はんだごて一式
はんだごては、食洗機に付いているアース線を延長接続するときに使用しました。
食洗機を取り付ける具体的な方法
ここからは、自分で食洗機を取り付ける具体的な方法とその手順についてお話していきます。
設置場所の製作、食洗機の仮設置
食洗機本体と分岐水栓の手配ができたら、食洗機を設置する場所を作成していきます。
キッチンに食洗機を置けるだけのスペースがある場合は、このステップは飛ばしてもらって結構です。
我が家の場合は、キッチンがあまり広くなかったため、食洗機を取り付ける台を増設することにしました。
ベニア板を適当なサイズにカットし、それをキッチンの右側のところにビスで取り付けました。
実際に食洗機を乗せるとこんな感じ。
ちなみに、ベニア板だけでは強度不足だったので、2本ほど木材を追加して強度UPさせました。
蛇口を分解する
次は食洗機に給水配管を取り付けるために、蛇口を分解していきます。
そのためにはまず自宅の外などにある水道の元栓を締め、蛇口を分解しても水が流れてこないようにしておきましょう。
元栓を締め、蛇口をひねっても水が流れてこないことを確認できたら、分岐水栓に付属の取扱説明書にしたがって、蛇口を分解していきます。
この分岐水栓の取扱説明書はとても分かりやすく書かれていますので、実際の作業の前には取扱説明書に目を通しておくことをおすすめします。
それでは、具体的な作業の内容についてお話していきますね。
まずは、蛇口の上部にあるカバーを手で外していきます。
すると、カバーの下にプラスのネジが見えてきますので、そのネジをプラスドライバーで緩め、蛇口のレバーを取り外していきます。
次は、上の方にある化粧カバーと呼ばれる部品を手で緩めて取り外します。
化粧カバーを外すと、次に見えてくるのがカバーナットと呼ばれる部品です。
その部品をモンキーを使って緩め、取り外していきます。
後は一番上に見えている青色のカートリッジと呼ばれる部品を手で上に引っ張って取り外せば、蛇口の分解は完了です。
分岐水栓を取り付ける
蛇口の分解が終わったら、予め購入しておいた分岐水栓を蛇口に取り付けていきます。
多くの分岐水栓は食洗機に冷たい水を給水する(初期状態)か、お湯を給水するか選べるようになっています。
食洗機にお湯を給水したい場合は、この時点で付属の取扱説明書に従って分岐水栓のパーツの組み替えを行っておきましょう。
分岐水栓のパーツの組み換えが終わったら、蛇口に分岐水栓を乗せましょう。
この時、分岐水栓の上側はクルクル回転しますので、給水ホースを出したい向きにセットしておきます。
分岐の向きが決まったら、分岐水栓の下側のところを手で持ち、絞め込んで固定していきます。
後は、蛇口を分解したのと逆の手順で蛇口のパーツを組み立てていきましょう。
蛇口の組み立てが終わったら、分岐水栓のもう一つの部品の方を分岐のところに取り付けていきます。
モンキーレンチでナットを締め込み、食洗機に付属の給水ホースを接続すれば、蛇口の分岐水栓の取り付けは完了です。
なお、余分な給水ホースは結束バンドを使ってこんな感じにまとめておきました。
食洗機の排水ホースに関しては、排水の勢いはホースが暴れるほどすごいというわけではないので、こんな感じでながしに垂らして設置すればOKです。
電源コードの取り付け
いよいよ食洗機の電源コードの取り付けです。
といっても、電源コードの取り付けは簡単で、近くにあるコンセントに差し込めばOK!
我が家の場合、食洗機を設置する場所のすぐそばに延長コードを引いてきていたので、そこに電源コードを差し込みました。
【STEP5】アース線の取り付け
最後に残っているのが、このアース線の取り付けです。
我が家の場合、食洗機のすぐそばに先ほど紹介したようなアース端子付きのコンセントがありませんでした。
色々と考えた結果、もともと取り付けられていたビルトイン食洗機にはアース線が取り付けられているはずですので、そのアース線にこの卓上食洗機のアース線も繋げてしまうことにしました。
まず、ビルトイン食洗機の横側の引き出しを取り外し、ビルトイン食洗機のアース線を探し出します。
半田ごてを使って、そのアース線に今回設置した卓上食洗機のアース線をつなぎ合わせます。
半田付けが終わったら、半田付けした箇所をビニールテープで絶縁すれば、アース栓の取り付けは完了です。
お疲れ様でした。
これで食洗機の取り付けは完了です。
アース線を取り付けせずに使っている人もいるみたいだけど?
食洗機の取り付けで面倒なのが最後に紹介したアース線の取り付け工程です。
実際のところ、アース線を取り付けずに家電(洗濯機、冷蔵庫、エアコンなど)を使用しているを良く見かけます。
別にアース線を取り付けなくても正常に動きますし、アース線を接続せずに食洗機を使用してもいいのでしょうか?
このアース線の役割は、食洗機が故障した際に感電しないようにするためのもので、食洗機の横面にもこのような注意書きがなされています。
どうしてこのような警告シールが貼り付けられているのかというと、例えば、アース線を取り付けていなくても食洗機は正常に動きますし、故障がなければ食洗機を触っても感電することはないので、アース線を取り付けないまま食洗機を使用する人がでてしまうからです。
実際に私が中古で購入したこの食洗機のアース線も接続されていた痕跡(傷や折れなど)がないため、前に使っていた人はアース線を接続せずに使っていたのだと思います。
では、アース線を取り付けずに感電した場合どのようなことになるのかというと、各家庭には配電盤のところに漏電ブレーカーが付いていて、約30mAの漏電があると約0.1秒以内に自動的にブレーカーが落ちる仕組みになっているため、食洗機のアースを接続していなかった場合、最大で30mAの電流が0.1秒程度体に流れるケースが考えられます。
その程度の電流が人体に及ぼす影響はどの程度かというと、こんな感じです。
アース線を取り付けていた場合、食洗機が故障して漏電した瞬間に家の配電盤の中にある漏電ブレーカーが落ち、停電の状態になるので、漏電している食洗機に触れても感電しなくなる、つまり漏電による感電を予防できることになります。
アース線を取り付けないということは、上記の表のレベルのリスクを受け入れたということを理解しておく必要があると思います。
とはいうものの、アース線が付いている電化製品(食洗機、洗濯機、電子レンジ、ウォッシュレットなど近くに水があるようなところで使用するものなど)のアース線を取り付けずに使用するケースは多々見られます。
その理由は、アース線を取り付ける先は、以下のようなアース端子付きのコンセントが一般的なのですが、このコンセントが必要な場所に設置されていないということが挙げられます。
本来であれば、電気工事屋さんを呼んでアース端子を追加設置してもらうのが理想です。
ですが、ここまでお話してもアース線を取り付けずに食洗機を利用している、または利用しようとするという判断をする人は大勢いると思いますので、苦肉の策ではありますが、簡単に設置できる「プラグ形漏電遮断機」というものがあるのを紹介しておきます。
このようなタイプの漏電遮断機は15mA程度の漏電があると、それに接続したコンセントの電気を遮断する仕組みになっているため、先ほど紹介した家の配電盤についている漏電ブレーカーの30mAより、漏電によって感電した時に流れる電流の大きさを小さくすることができます。
ただし、アース線を取り付けた時のように漏電による感電を未然に防ぐ(漏電した時点で、配電盤の漏電ブレーカーが落ちる)ことができません。
アース線は安全のために必ず取り付けてほしい(メーカーもそう呼びかけている)のですが、実際の設置例を見てみると、アース線を取り付けていないケースが多々あるようですので、ご参考までに紹介しておきました。
ちなみに、アース線を接続できるコンセントが食洗機の設置場所の近くにある場合は、はんだごてがいらない場合もありますので、事前にアース端子付きのコンセントの場所などを確認しておきましょう。
最後に一言
今回は、自分で卓上食洗機を取り付ける方法についてお話しました。
食洗機の取り付けでネックになりそうなのは、分岐水栓の取り付けとアース線の処理だと思いますが、個々の作業内容は簡単なことの積み重ねです。
がんばってやれば自分で食洗機を取り付けることができますよ。
それでは!