子供も大人も我を忘れて楽しめる竹馬。
最近ではインターネットなどで金属製のものが約3000円ほどで売られています。
ですが、竹馬を良く知っている人であれば、「裸足で乗れて、足の指で竹を掴んで乗る、あの感覚はやっぱり竹製のものがいいんだよなぁ~」と思うのではないでしょうか?
ただ、そのような竹馬を作れるのはごく一部の人(昔の遊びを知っている年配の人)だけになってきてしまいました。
「どうにか昔ながらの丈と紐だけで作れる竹馬を自分で作ることはできないものか?」
そんな事を考えていたときに、子どもたちが通っている保育園で上の写真のようなタイプの竹馬を発見し、それを少しお借りして作り方を勉強しました。
今回は、この竹と縄を使った昔ながらの竹馬の作り方について、写真付きで詳しく紹介していきます。
竹馬を作るために必要な8つのもの
まずはじめに、竹馬を作るために必要なものについてお話していきます。
竹
竹馬のメインの材料となる竹は、知り合いの人の山でタダで手に入れてきました。
竹林を所有している人の悩みといえば、「春に良いタケノコを取るためには、定期的に竹を切り倒す必要があるのだけれど、それが面倒だ」ということです。
ですので、「竹馬用の竹がほしいので、竹を切ってもいいか?」と聞けば、ほとんどの場合、「是非どうぞ!」ということになると思います。
ということで、早速竹林に入って竹をカットしてきました。
竹馬に使えそうな適度な太さ、かつなるべく曲がっていないような竹を選んでノコギリで切り倒します。
木と違って竹はてノコギリで簡単にカットできますし、そんなに重たいものでもないので1人でも簡単に切り倒すことができます。
切り倒したばかりの竹には枝がたくさんついているので、その場でノコギリを使ってキレイにしていきましょう。
枝を取った後の竹はその場で適当な長さ(1.5m程度)にカットすれば、車に乗せて運ぶときも保管も楽チンです。
1セットの竹馬を作るためには、この1.5mサイズの竹が3~4本ほどあればOKですが、失敗した時のために、少し余分に確保しておくことをおすすめします。
縄
今回紹介する竹馬は、縄で縛って竹を固定していきます。
ホームセンターで売られているビニール縄(太さが5mm程度、約350円)を購入しておきましょう。
1セットの竹馬を作るために20m程使うと思っておけばOKです。
ただし、上記のPPロープは値段が安いのですが耐久性に難があり、1~2年ほどで劣化してしまい、ロープがささくれてきたり、ちぎれてほどけてきてしまったります。
予算に余裕がある場合は、ポリエステルロープ(直径4mm、長さ30m)のものを購入するのをおすすめします。
手ノコギリ
竹をカットしたり、形状を加工したりする時に手ノコギリを使います。
竹用のノコギリがあれば作業性が上がりますが、今回は普通の木材用のノコギリを使って作業しましたので、ご家庭にあるものでも作業していくことができます。
竹割り鉈(なた)
竹馬のパーツを作るために、竹を割るための鉈(なた)が必要になります。
私の場合、この鉈を持っていなかったので、近所のホームセンターで購入(約1500円)しました。
鉈には色んな種類がありましたが、「竹割り鉈」というのを用意しておきましょう。
コンロ
竹馬の足を載せる部分は竹を加工した後に日で炙って竹を柔らかくした後、下のような感じで曲げていきます。
私の場合、竹馬を作る時の廃材をコンロで燃やしてこの作業を行いましたが、ガスコンロやガスバーナー、バーベキューコンロなどでも対応可能ですので、ご家庭にある物を利用すればOKです。
電動ドリル
この竹馬のパーツ固定には、縄以外にも竹で作る細い棒を使います。
パーツに穴を開ける時に、電動ドリルを使います。
ドリルの径は6~8mm程度の物を使うといいと思います。
電動ドリルはホームセンターなどでレンタル(2泊3日、300円程度)することもできますので、そういったサービスを利用してもいいと思います。
金槌(かなづち)
パーツを固定する際に使う竹の棒は、金槌で叩いて挿入していきます。
普通の金槌でOKですので、準備しておきましょう。
ペンチ
竹馬のパーツを加工する(折り取る)時にペンチやプライヤーなどを使います。
これで、竹馬を作る時に必要なものは揃いました。
具体的な竹馬の作り方
ここからは、具体的な竹馬の作り方についてお話していきます。
竹馬の下側部分を加工する
まずはじめに、竹馬の本体となる竹を選んでいきましょう。
竹馬の高さは出来上がった後にカットすればいいので、この段階では竹の太さが握りやすい大きさのものを2本ほど選んでおきましょう。
竹馬の下部は節になるようにカットしておくと、重みで割れてしまうことを防ぐことができます。
次に、この部分に足を載せる部分の支えとなるパーツをはめ込む切れ込み(写真の右側の方)を入れていきます。
はじめに、ノコギリで1/3が残るぐらいまで横に切れ込みを入れ、その後斜めにカットしてきます。
だいたいこんな感じでカットできればOKです。
竹は結構丈夫なので、1/3ぐらい残っていれば、全然折れたりしません。
切りすぎたなぁと思っても大丈夫な場合が多いですので、ご参考まで。
竹馬の支えとなる部分を作る
次に、竹馬の上に乗る人の重みを支えるためのパーツ(写真上側)を作っていきましょう。
曲がってしまっていたり、太すぎたりして竹馬の本体の棒には使えないような竹を選んで、節の部分から2~3cmのところをノコギリでカットします。
次に、鉈を使ってこの竹を半分に割っていきます。
竹を割るコツは、最初にちょっとだけ斧を竹に食い込ませると竹が斧にひっついてくるので、それを少し持ち上げそのまま下に「トン」と力を抜いて振り下ろせば、「パカ」っと割れます。
今作っているパーツは、竹の円周の1/3ぐらいあれば充分なので、それぐらいになるようにもう少し竹を割っていきます。
節の部分は、ペンチなどを使ってポキっと折り取っておきましょう。
ここからもう少し、このパーツを加工していく必要があります。
節のある方とは反対側に、下の写真のマジックで書かれているような感じで竹をカットしていきましょう。
次に、パーツの節のある側の車線部分をカットしていきます。
まず、ノコギリを使って縦に切れ込みを入れましょう。
そして、今度は横に切れ込みを入れていきます。
すると、このような感じで竹に切れ込みが入ります。
後は、ペンチなどを使って、下のような感じでこの部分を折り取っていきます。
すると、このような感じで竹馬の支えとなるパーツの形が出来上がってきます。
あとは、このパーツの節の下辺りにドリルで穴(6~8mm)を開ければ、このパーツは完成です。
このパーツは幼児用にかなり短めに作りましたが、長くすれば長くするほど足を載せる部分が高くなります。
足を載せる部分の高さを変えるには、このパーツの長さを変えればいいということを知っておきましょう。
足を乗せる部分を作る
次は、竹馬の足を載せる部分のパーツ(手で握っている部分)を作っていきます。
まずはじめに、 竹馬の本体と同じぐらいの太さの竹(曲がってしまっているものでも良い)を手のひら2.5個分ぐらいでカットしていきます。
注意点として、後ほど竹を曲げる工程がありますので、節が中央部分に来ないようにカットしておきましょう。
次にこのパーツを下のような感じでカットしていきます。
まず、竹を3等分するより少し狭いぐらいのライン(2箇所)で、1/4を残すようなイメージで切込みを入れます。
次は、鉈を切り込みの先端に縦向きに置き、金槌を使ってトントンと鉈を叩いていきましょう。
すると、こんな感じで竹に裂け目ができてきますので、下のノコギリで作った切れ込みまでその裂け目が達するまで金槌を叩いてきます。
反対側も同様に裂け目を作っていくと、こんな感じでパカっとこの部分が外れてきます。
これと同じものをもうひとつ作っておきましょう。
次に、このパーツの中央部を曲げていくのですが、生のまま力技で曲げると竹が割れてします。
ですので、写真のような感じで炎でコンロなどで炙って竹を柔らかくしてから曲げていきます。
竹を炙っていくと、最初にブツブツという感じで表面に水分や油分が出て来ます。
その段階だとまだ柔らかくなっていませんので、そこから1~2分程度、しっかりと曲げたい部分を熱しておきましょう。
すると、手だけで簡単にこんな感じで竹を曲げることができるようになります。
しっかりと熱してやったほうが格段に曲げやすいですので、ご参考まで。
これで竹馬のパーツが出来上がりましたので、次のからは竹馬を組み立てる工程です。
竹馬を組み立てる
いよいよここからが竹馬を組み立てるステップです。
まず、竹馬の本体となるパーツと支えとなるパーツをこのような感じでセットします。
そして、この状態で先端にドリルで穴(6mm程度)を空けていきます。
次に、竹を咲いたときなどに出た細い竹の棒を短めにカットして、この穴にハンマーで叩き入れていきます。
次は、竹馬の足を乗せる部分です。
このような感じで、竹馬の本体に巻きつけるような感じでパーツをセットします。
出来上がりの位置を覚えた(マジックで印を付けた)ところで、ドリルで各パーツに穴を開けていきましょう。
横側にも2個所、支えのパーツの先端が入る穴を開けておきましょう。
本体の方にもドリルで穴を開けていきます。
穴を開け終えたら、先程と同じように細い竹の棒を使って、足を載せるパーツと竹馬の本体を組み立てていきます。
よく見てもらうとわかりますが、本体を貫通した細い竹のパーツの棒の先端が足を載せるパーツの中に入っています。(片側のみ)
こうしておくと、竹馬に乗った時に足を載せるパーツが回転してしまわないようにすることができます。
後は、支えのパーツの先端の突き出た部分(2個所)を足を載せるパーツに開けた穴に差し込めば、竹馬の原型の出来上がりです。
紐で巻いて仕上げる
ここからは、紐を使って竹馬の仕上げを行っていきます。
まず、3mほどの長さで紐をカットします。
竹馬の先端部分に一度巻きつけ、固結びを2回します。
この時、もう一方の紐も手のひら1~2個分ぐらい長めに残しておいてください。
そこから、残しておいた紐を中に入れた状態でグルグルと紐を巻いていきます。
このあたりまで来たら、先程まで中にれておいた紐を外に出し、支えとなるパーツの部分だけ3回ほど巻いていきます。
後は、残しておいた紐と巻いていた紐を固結びでギュッと3回ほど結びましょう。
余った部分の紐はカットすれば、この部分の紐巻きは完了です。
次は、足を載せる部分に紐を巻いていきます。
まず5~6m程の紐を用意しましょう。
そして、支えとなるパーツの穴に紐を通し、固結びを2回ほどしていきます。
ここでのポイントも先ほどと同じで、手のひら2個分ほど紐を残しておく点です。
ここまで準備ができたら、写真に向かって右側の部分から縄を巻いていきます。
3~4回ほど紐を巻くことができたら、もう一本の紐を中に入れて、支えの反対側の部分を巻いていきます。
ここまで来たら、紐を竹馬の本体にクロスさせるような感じで紐を巻きつけていきます。
同じような感じで、もう一度クロスさせるように巻いておきます。
後は、残してあったもう片方の紐と3回ほど固結びしていきます。
余分な紐をカットすれば、この部分の紐巻きは完了です。
紐巻きもあと一回でおしまいですので、もう少し頑張っていきましょう。
2mほどに紐をカットし、支えの穴に通して、先程までと同じように片側を長めにのこした状態で、2回ほど固結びします。
次に、長い方の紐を足を載せるパーツの間に入れ、ギュッと下側に滑り込ませます。
ここから短い方の紐を下に入れた状態で長い方の紐を巻き始めます。
3~4回巻き終えたら短い方の紐を上に出し、また長い方の紐をグルグルと巻いていきます。
ここで、また足を載せるパーツの間に紐を通して下側に持ってきて、そこで短い方の紐と結んでいきます。
お疲れ様でした。
これで竹馬の完成です。
最後に一言
今回は、【保存版】裸足で乗れる竹馬の作り方(竹&縄編)についてお話しました。
この方法は竹を加工したり、紐を巻いたりなど、少し手間はかかります。
ですが、番線を使ったりしていないので針金で怪我をしてしまうこともありませんし、木で作るより軽く仕上がりますし、何より裸足で竹馬に乗ることができるのが特徴となっています。
ぜひ挑戦してみてくださいね。
それでは!