家の前の駐車場などにマイカーを野ざらし駐車していて困ること、それは・・・
- 雨の日の車に乗り降りで雨に濡れてしまう
- 真夏は車内が半端ない暑さになっていて、車に乗った途端に汗がふき出してくる
- 車を洗車しても、雨が降るとすぐに汚れてしまう
- 直接日が当たっているので塗装が色あせたり、内装も日に焼けて劣化してしまう
- 冬の朝などはフロントガラスがビッシリ凍ってしまっていて、出発できるようになるまで数分かかってしまう
などなど、毎日のように「車庫やカーポートがあればいいのになぁ・・・。」と感じているのではないでしょうか?
実際車庫やカーポートがほしいところだけれど、比較的安いカーポートでも工事費込みとなると15~20万円程度かかってしまいます。
ネットで調べてみると、市販されているカーポートを購入してきて、自分でそれを取り付けることで予算を10万円程度にまで抑えるという工夫をしている人もいます。
出典)アルミカーポート実録マニュアルでカーポートDIYに挑戦しよう!|アルミカーポートDIY実録マニュアル!
ただ、我が家の場合は、10万円でもまだ予算オーバーです・・・
簡易的な日よけのようなものでいいから、なんとか5万円以下でカーポートを作ることができないものか?
そんなこんなで考え着いたのが、単管パイプとビニールシートで作るDIYカーポートです。
単管パイプビニールシートという安い材料を使い、かつ自分自身で作れるということから、シンプルなタイプのカーポートならたったの2万5千円、屋根の構造を工夫し台風などにも対応できるようにしたタイプのカーポート(改)でもたったの4万5千円、最終的には二台止められるタイプのカーポートまで、全部自分で作ることが出来ました。
今回は、そんな単管パイプとUVシートで作る格安DIYカーポートについて、DIYカーポートを作るために必要なものから、具体的な作り方まで詳しく説明していきます。
DIYカーポートを作るために必要な部材
まずは、このDIYカーポートを作るために必要な部材についてまとめておきます。
単管パイプ
簡易カーポートの骨組みとして使うのが、ホームセンターなどに売っている単管パイプです。
単管パイプのいいところは安くて丈夫、そして簡単に組み建てられるという点。
今回のカーポートを作るために必要な単管パイプは以下の通り。
- 6m(2145円)×2
- 4m(1380円)×2
- 2.5m(945円)×1
- 2m(880円)×2
- 1.5m(567円)×4
- 1m(458円)×2
長い単管パイプを車で自宅に運ぶのは普通の乗用車やミニバンでは不可能ですので、今回はホームセンターの無料貸し出しトラックを借り自宅まで運びました。
自分で運ぶのが難しいのであれば、ホームセンターの宅配サービスなどを利用して自宅まで運んできてもらうという手段もあります。
単管パイプを購入する前に販売店のサービスカウンターなどで事前に相談して、購入した単管パイプをどうやって運べばいいか聞いてみましょう。
ビニールシート
カーポートの屋根にはこんな感じのビニールシート(UVシート)を使います。
寸法は2間×3間(3.5×5.3m)で、シートの厚みは#4000(4000番)という少し厚めのものを選んでおきました。
価格は3980円。
カーポートの屋根として使うので、直射日光に当たっても劣化しにくいものを選んでおくのがコツです。
フェンス基礎石
今回単管パイプの基礎に使うのは、フェンス用の基礎石です。
カーポートの支柱は3本ですので、ここでは基礎石を3個購入しておきます。
ドライ生コン(コンクリート)
基礎石の四角い穴に単管パイプを固定するために使ったのが、ドライ生コンです。
基礎石を3箇所作るためには、20kg一袋で十分です。
クランプ
単管パイプを組み立てるために使うのがクランプと呼ばれる金具です。
クランプには、単管パイプを直交固定する「直交クランプ」と角度をフリーに固定できる「自在クランプ」、そして3本の単管パイプを固定できる「三連クランプ」があり、今回はそれぞれのクランプを以下の数だけ使いました。
- 直交クランプ(158円)×4
- 自在クランプ(158円)×12
- 三連クランプ(528円)×1
ちなみに、直交クランプとか自在クランプとかよく分からない・・・という人は、こちらで紹介されているクランプの説明動画を見てみてください。
ボンジョイント
今回のDIYカーポートは、素人一人で作るために基礎部分と本体部分を分割して組み立てやすい構造にしたため、単管パイプをつなぎ合わせるボンジョイント(198円)というものを3つ使用していきます。
紐(クレモナ3打)
カーポートの屋根となるビニールシートを固定するために使うのが、このような紐です。
紐を選ぶ時のポイントは、強度だけではなく、日光や水分にも強いものを選ぶことで、今回はクレモナ3打と呼ばれる種類のもの(80円/m)を30mほど使用しました。
このロープなら引張強さは330kgfあります(330kgの重さまで切れない)ので、カーポートのシート固定に充分な強度があると言えるでしょう。
DIYカーポートの具体的な作り方
ここからは、DIYカーポートの具体的な作り方についてお話していきます。
支柱を立てる所に基礎石を埋めていく
まず始めにやることは、カーポートを支える支柱を設置する場所に、基礎石を埋めていくことです。
基礎石を設置する場所は以下の三箇所。
その場所に穴を掘って、基礎石を半分~2/3程度埋めていきます。
基礎石を埋めた後は、水平器をつかってざっくりと基礎石の水平をとり、基礎石の周りを埋め戻しておきます。
残りの2箇所も同じような手順で基礎石を設置しておきましょう。
基礎石に支柱となる単管パイプをコンクリートで固定する
次に、コンクリートを使って埋めた基礎石に単管パイプ(1m)を固定していきます。
まず、先ほど購入しておいたドライ生コンをバケツの中にいれ、水を加えて手早くスコップで混ぜていきます。
上の写真はまだ混ぜている途中で撮った写真なので水が足りていませんが、生コンの袋に書いてある通りの分量で水を入れていけば、ちょうど良い感じのコンクリートができます。
出来上がったコンクリートを基礎石のところに持って行き、1mの単管パイプを差し込んだ基礎石の内側に流し込んでいきます。
生コンを基礎石に流し込み終わったら支柱に水平器を取り付け、支柱が垂直に立つように調整しておきましょう。
プロであれば2~3mの支柱をこのまま保持して固めることができるでしょうが、私のような素人はこれぐらいの短い単管パイプをあらかじめ立てておき、後から長い単管パイプを継ぎ足すようにするほうが、作業が容易になりますので、今回はこのような分割して支柱を立てる方法をとりました。
残りの2箇所も同じようにコンクリートを流し込み、コンクリートが完全に固まるまで丸一日ほど放置しておきます。
ボンジョイントで支柱を立てる
支柱の基礎石に流し込んだコンクリートが固まったら、単管パイプの支柱を立てていきます。
まず、支柱となる単管パイプにボンジョイントを挿入していきます。
3箇所ともボンジョイントを挿入したら、単管パイプをボンジョイントに差し込んで立てていきます。
ジョイントはメガネレンチなどでしっかりと絞めておきます。
支柱となる単管パイプは、写真に向かって左側が2.5m、右側が2m×2本。
屋根が写真左側から右側に向かって下がりの傾斜がつくイメージです。
単管パイプとクランプで屋根の骨組みを組み立てる
支柱ができたら、次はカーポートの屋根部分の骨組みの組み立てです。
始めに、6mの単管パイプと4mの単管パイプを直交クランプで接続し、このような感じで左側の支柱の上のほうに持ち上げていきます。
次に、反対側の支柱のほうも片方ずつ持ち上げていき、以下の形まで組み上げていきます。
そして、写真右側の上部にも6mの単管パイプを組み付け、屋根の骨組みの基本部分が出来上がりました。
ただ、この状態だと骨組みにカーポートとして必要な強度がありません。
ここからは、自在クランプや三連クランプを使いながら筋交いを入れて、この骨組みを補強していきます。
こんな感じでそれぞれの支柱に補強を入れてあげると、構造上一番弱い端っこの部分に私(約55kg)がぶら下がっても大丈夫な強度になります。
これでカーポートの基本的な骨組みは完成です。
なお、この単管パイプで作ったカーポートの骨組みは、カーポートの強度に直結しますので、もしこの段階で強度に不安がある場合は、柱を増やしたり、斜めに単管パイプを追加したりして、不安要素がなくなるまで強度アップを図りましょう。
骨組みにシートを張る
カーポートの骨組みが出来上がったら、次はシートを張りです。
まずは、向かって右側のUVシートのハトメ(金属製の紐を通す穴)と骨組みに紐を通しながら張り上げていきます。
右側が出来上がったら、今度はその反対側も紐でシートを張っていきます。
後は残りの前側と後ろ側も紐を使ってシートを張ると、こんな感じでカーポートの屋根が出来上がります。
本来であればこれでDIYカーポートの完成と言いたいところなのですが・・・
思わぬアクシデントが発生しました。
なんと、「ドカン!」という音と共にUVシートが破れてしまったのです。
実は、思っていた以上に屋根の傾斜がついていないため、雨が降ったときに雨水がUVシートの中央部に溜まってしまい、UVシートが溜まった雨水の重みに耐えられなくなってロープで結んでいた部分が破れてしまいました。
幸いカーポート前方でUVシートが破れたたため車へのダメージはありませんでした。
気を取り直して新しいシートを同じように張りなおして、ホースで水をカーポートの屋根に流してみると、案の定こんな感じでシートの中央部に水が溜まるという事態に・・・。
前回のシート破れを防ぐために写真の右奥側のシートの高さを少し下げ、雨水が右の奥側に流れていくように改良しておきました。
これで雨が降ってもシートに雨水が溜まることはありませんので、一安心です。
お疲れ様でした。
これで単管パイプとUVシートで作る格安DIYカーポートが完成です。
ここまでに使った費用は約2万5千円、作業時間はざっくり2日ほどかかりましたが、出来上がってみるとなかなかいい感じでした。
実際に車をカーポートの下に止めた時、カーポートで日差しが遮られていることがすぐに分かりましたし、ある程度大きめのサイズに設計してあったので楽にバックで車庫入れもでき、大満足でした。
プラス2万円でデメリットを克服した自作カーポート(改)へ進化
これまでお話した自作カーポートはできる限り安く、かつシンプルな構造を目指したものでした。
ただ、風が吹くとUVシートがバタバタと音を立てるのがうるさかったり、台風が来るとシートが相当煽られて破れる危険があるため、台風が来るたびにUVシートを取り外したりする必要がありました。
「風が吹いてもUVシートがバタバタせず、ある程度の風にも負けない構造にすることができないか?」
いろいろ考えた結果、プラス2万円(トータル4万5千円)でそれらのデメリットを克服したカーポートを実現しました。
前回のカーポートに比べると、屋根部に4mの単管パイプを6本追加し、UVシートを上下に挟み込むような構造にしてあります。
これによって、相当な風が吹かない限り、UVシートがバタバタすることはなくなりました。
また、単管パイプがしっかりとUVシートの傾斜を付けてくれるようになったため、雨水の排水も以前よりうまく流れてくれるようになりました。
バケツをひっくり返したような大雨の日も、こんな感じでうまく水が排水されます。
さらに、骨組みとなる部分にも単管パイプを数本追加し、更にハトメ(ビニールシートの紐を結ぶ金具の穴)の数も倍に増やしたことによって、強い風にも耐えられる強度も得られました。
前回作ったシンプルな自作カーポートからはプラス2万円(トータル4万5千円)となりましたが、このようにようやく納得できる形にまとめることができました。
カーポート増設で縦列駐車(2台分)をしっかりカバー
ここまで紹介してきたカーポートは、車一台分のカーポートでしたが、妻から「私の車の分もちゃんとカバーできるようにカーポートを広げてほしい。そうすれば、雨の日の乗り降りが楽になるから・・・。」
そうですね。
実は、カーポートを作り始めるタイミングで、中古のセダンを購入したということもあり、このカーポートは私が乗るためのセダンのものになってしまっていたのです・・・。
妻の言い分もよく分かるので、カーポートを縦列二台分をカバーするように増設しました。
写真では少し見にくいですが、前のミニバンの後ろ側にもう一台ゆったりと車を止められるスペースがあります。
こうやって簡単に増設できるのも単管パイプでカーポートを作るメリットですね。
最後に一言
今回は、【予算2万5千円】素人一人で作れる格安DIYカーポートの作り方についてお話しました。
自宅に車庫かカーポートがほしいけど、費用をなるべく抑えたいという人にぴったりのカーポートに仕上がったと思います。
このカーポートを実際に使ってみて感じたメリット・デメリットについてはこちらの記事が参考になると思います。
>>【単管パイプ】自作カーポートのメリット・デメリットまとめ
ちなみに、私がおすすめしたいのは最終的にはトータル4万5千円を投じた自作カーポート(改)の方で、最初に紹介したシンプルなカーポートはあくまでも参考レベルということにしておいてください。
ただし、自作カーポート(改)でも、毎年普通に雪が20~30cm以上も積もるような豪雪地域の場合、このDIYカーポートでは雪の重みに耐えられないと思います。
実績としては、年に数回、実質的に10cm未満レベルの積雪がある程度なら強度的にもOKでしたので、比較的温暖な地域でにお住まいの人向けのカーポートと考えてもらうと良いと思います。
なお、少しでもDIYに不安を感じたら、少々高く付きますがアルミカーポートをプロに施工してもらう方がいいと思います。
無理して作って、何かの拍子でカーポートが壊れてしまうとその下にある車まで被害が出てしまったり、台風などでカーポートが飛ばされてしまって何かを破損してしまうという可能性も否定できません。
また、ホームセンターなどで売られているビニールシート(#4000)の耐久性としては、長く使っても約1~2年ほどが限度なので、ビニールシートが劣化してきたなぁと思ったタイミングでシートの張り替える必要もあります。
ですので、私がおすすめするカーポート入手の第一歩は、業者に依頼して一体いくらでカーポートが手に入るのかを確認してみるということです。
というのも、業者に作ってもらうようなカーポートは耐久性が高い(数年~十数年は大丈夫)ですし、強度も十分です。
カーポートの場合、現地見積もりを無料でやってもらえるところもありますので、まずは一度アルミカーポートの見積もりを作ってもらって、ちゃんとしたカーポートを作ってもらうにはどれぐらいの費用がかかるのかを正確に把握しておきましょう。
その値段を見ながら、プロにきれいなカーポートを施工してもらうのか、それとも格好は悪いし、手間もかかるけど、費用は抑えられる自作にするか決めるのがいいのではないでしょうか?
それでは!