換気空調換気扇

シンプルな屋根裏換気システムをDIY取付けする方法

夏場、夕方にもなると2階の部屋や階段に熱気が溜まって、家の中がもわっと熱くなってしまっていませんか?

実はその熱気、太陽の熱で暖められた屋根から伝わる熱で屋根裏が熱を帯び、その屋根裏にたまった熱が夕方から夜にかけて徐々に家の中に伝わってくるため、太陽が沈んだあとも家の中が熱苦しいという状態を作り出してしまいます。


出典)長生きできそうな住宅リフォームのプロ|マイベストプロ岡山

今回紹介するDIYで作る屋根裏換気システムは、点検口に換気扇を取り付けることで、部屋の天井付近にある熱気を効率よく屋根裏に排気して、部屋の中に外気を取り込み、かつその排気で屋根裏を強制的に冷却するシステムです。

屋根裏換気システムで家全体を冷却1

我が家では、この屋根裏換気システムを使い始めてから、夏場でも外気温度が28℃以下ならエアコンをほとんど使わなくても快適に過ごすことができるようになりました。

作り方は簡単で、ほとんどの一戸建て住宅にある点検口にひも式の換気扇を取り付けるだけのシンプルな構造なので、DIY初心者の人でも簡単に取り付けることができると思います。

DIYで作る屋根裏換気システム

今回は、そんな家中を快適な住環境に変える自作の屋根裏換気システムの作り方について、ステップごとに写真付きで詳しくお話していきます。

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どうして屋根裏換気が必要なのか?

屋根裏は真夏にもなると50~70℃ぐらいまで温度が上昇するため、夜になってもその熱気が家の中を暖め続けることがあります。

屋根裏は温度が高い

出典)屋根裏換気システム|換気装置の総合メーカーCLIE株式会社クリエ

今回紹介する換気システムは、2Fの室内上方にあるもわっとした熱い空気(30~35℃程度)を強制的に屋根裏へ送り込むことによって、屋根裏の温度を下げる効果があります。

DIYで作る屋根裏換気システム

ちょうど、屋根裏部屋に第二種換気を取り付けるイメージを持ってもらえると良いと思います。

第2種換気は排気側は自然換気、給気側は機械換気で行います。

第2種は住宅にはほとんど用いられず主にクリーンルームなどに採用される方式です。

第二種換気

引用)第1種換気・第2種換気・第3種換気方式|株式会社マーベックス

外気温が低い場合(春や秋、初夏など、外気温が28℃以下のような場合)であれば、開放した1Fの窓から常に新鮮な外気が家の中に導入され続けるため、山荘のような清々しい快適な住環境が実現できます。

ですので、屋根裏換気システムは屋根裏温度を積極的に下げるということと、室内に新鮮な空気を取り込むという2つの機能があることを理解しておくといいと思います。

出典)長生きできそうな住宅リフォームのプロ|マイベストプロ岡山

DIY屋根裏換気システムを作るために必要な物

ここからは、DIY屋根裏換気システムを作るために必要な物についてお話していきます。

紐式換気扇

紐式の換気扇

今回紹介するDIY屋根裏換気システムは比較的大きな風量を得られて、かつ安価(ホームセンターで約3000円)に手に入れることができる紐式の換気扇を使うことにしました。

ざっくりとした風量のイメージは下記の表を参考にするといいと思います。

出典)換気扇の羽根径と風量 kes サポート 環境・健康

大体8畳の部屋で30㎥弱なので、この25cmタイプの換気扇を使えば、家全体も結構な勢いで空気を入れ替えることができそうだということがわかりますね。

基本的には換気扇を取り付ける点検口の大きさに合わせて、それ以下のサイズになるように換気扇を選べばいいと思います。

換気扇を点検口に取り付け

木材

木材が2本

換気扇を点検口に固定する際に、このような木材を使用します。

ホームセンターなどで適当な大きさのものを購入しておきましょう。

U字金具

うまく紐が引っ張れない換気扇

紐式の換気扇は基本的に垂直に取り付ける前提となっているため、今回のように水平に取り付けた場合、スイッチの紐をうまく引っ張ることができません。

ですので、U字タイプの金具を取り付ける事により、うまく換気扇の紐を引っ張れるようにする工夫が必要です。

アイストラップ

金具で換気扇の紐を引っ張れるようにする

シリコンシーラント

シリコンシーランド

シリコンシーラントは、換気扇とベースとなる木材の間の隙間を埋めたりする時に使います。

換気扇と木材の隙間を埋める

シーラントとシーラントガン(金属部)は、ホームセンターなどで500~600円程度で購入することができます。

ノコギリとドライバー

あとは、木材をカットする時に使うノコギリや、付属のビスを取り付ける際に使うドライバーなどがあればOKです。

構造が簡単なだけに、必要なものが少ないのもこのDIY屋根裏換気システムのいいところだと思います。

DIYで作る屋根裏換気システムの作り方

それでは、詳しい作り方を紹介します。

換気扇の取付場所を決める

換気扇を取り付ける点検口を決める

今回紹介する屋根裏換気システムは、一般的な家庭に備え付けの点検口に換気扇を取り付けますから、まずは点検口がどこにあるか把握しておきましょう。

家の中の熱気は上へ上へと上がる性質があるので、2階建ての場合は2階にある点検口に設置するほうが効果的に熱気を屋根裏に排気する事ができます。

ここで確認しておいてほしいことがあります。

点検口を空け、空気の流れを調べる

晴れた日の風のない日に点検口を開け、そこから空気が自然に吸い込まれるかどうか調べておきましょう。

通常、屋根裏の排気がうまくいっている場合は、点検口を空けただけで屋根裏の熱気が既設の排気ダクトなどから排出されるため、室内の空気を吸い込むはずです。

良く分からない場合は、蚊取り線香を炊いて点検口に近づけ、その煙が吸い込まれるかどうかを確認しましょう。

もし、空気が逆流してくるような構造の家であれば、この屋根裏換気システムはうまく機能しません。

DIYを始める前に、必ず確認してくださいね。

点検口を外す

点検口は4本のビスで固定されている

点検口は4本のビスで金枠に固定されていますので、プラスドライバーを使って点検口の蓋を外していきます。

点検口の蓋に換気扇を取り付ける

ここから、取り外したほうの点検口の蓋に換気扇を取り付けていきます。

石膏ボードを取り外す

点検口の蓋の石膏ボードを+ドライバーで取り外す

プラスドライバーを使って石膏ボードを取り外します。

枠だけになるとこんな感じです。

点検口の枠だけになるとこんな感じです

点検口に直接木枠を作って換気扇を取り付けても良かったのですが、この点検口の扉に換気扇を取り付けるようにしておけば、必要な時に点検口を開き、屋根裏に登れるようになるので、今回はこの点検口の扉に換気扇を取り付けていくことにしました。

木材をカットして換気扇の外枠を作る

木材をカットして換気扇の外枠を作ります

換気扇を点検口の蓋に取り付けるための外枠を、木材で作っていきます。

事前に買っておいた木材をカットし、換気扇が取り付くサイズにしていきます。

DIY屋根裏換気システムの換気扇取り付け枠

カットした木材を点検口の枠に並べるとこんな感じになります。

この中に換気扇を取り付けていきます。

YAMAZENの換気扇

ちなみに、今回使用する換気扇はYAMAZENのYK-25で、量販店などで3000円程度で購入できます。

気になる消費電力は30Wなので、一日中回しっ放しにしておいても気にならない程度です。

換気扇にカットした木材を取り付ける

換気扇のカバーや羽を取り外す

まずは、換気扇のカバーと羽根を取り外します。

換気扇に木材をビスで固定します

そして、換気扇を先ほどカットしておいた木材にビスで取り付け、この換気扇を先程取り外した点検口の扉に取り付けて行くという感じです。

目地シールで木材と換気扇のすきまを塞ぐ

換気扇の隙間をコーキングで埋める

換気扇の振動の低減と隙間風をなくすため、目地シールで隙間を塞いでいきます。

換気扇を点検口の枠に取り付ける

点検口の蓋の金枠に取り付ける

石膏ボードが取り付けられていた方法と同じ方法で、換気扇を点検口の枠に取り付けます。

換気扇を点検口の蓋に取り付けた様子

換気扇の紐通しを取り付ける

今回のケースでは、換気扇が水平に取り付くため、そのままの状態では紐を引っ張って換気扇のON/OFFを切り替えることができません。

そこで、このようなパーツを使って、紐を引っ張れるようにしていきます。

換気扇の紐を通すパーツ

先程のパーツを紐の出口付近にビスで取り付けます。

換気扇の紐を通すパーツを取り付ける

点検口に取り付ける

最後に点検口に換気扇を取り付けていきます。

換気扇を点検口に取り付ける

DIYで作る屋根裏換気システム

今回の場合は、電源が点検口の外側にあったので、延長コードを使って換気扇のところまで引き込みました。

これで、屋根裏換気システムの完成です。

とても単純な構造ですが、点検口の扉に換気扇を取り付けることで、効率よく熱気を屋根裏に排気し、更にその屋根裏に廃棄された空気が屋根裏の熱気を外へ押し出してくれますので、一石二鳥の換気システムになっています。

屋根裏換気システムの具体的な使い方

屋根裏換気システムの使い方にはコツがあります。

その手順はこちら。

  1. 冷やしたい部屋(1F)の窓を開ける
  2. 空けた窓から点検口のある部屋(2F)までのドアを開ける
  3. 換気扇の電源を入れる

こうすることによって、効率よく外気を取り込み、室内の空気が換気扇の方に向かって流れ、室内の上方に溜まった熱気を屋根裏や壁の裏側に回すことができます。

屋根裏換気システムで家全体を冷却1

夏になると夜に外気温が下がっても、家の中が暑く感じるのは、家の屋根や壁が温められてしまい、外気温よりも家の屋根や壁の温度が高くなっているため。

真夏の夜にエアコンをつけなくても快適に過ごすためには、昼間の段階から積極的に家全体を冷やしておくことが重要です。

屋根裏換気扇の注意点

この屋根裏換気システムを使う際の注意点としては、冬など外気温が極端に低い時期に使用してはならないということです。

第二種換気のデメリットは、冷えた建築部材に暖かい湿った空気が接した時に結露が発生し手しまうことにあります。

送風機で室内に外気を供給し、排気は排気口から自然排気で押し出して行う換気設備を第2種換気設備と言います。 この方法では室内がプラス圧となり、出入口のドアを開けても他の部屋から汚染した空気が入ってこないという利点があります。 もともとは無菌室や手術室などクリーンルームに採用されてきた特殊な換気方法で、気密性能が高くない住宅では隙間から室内の水蒸気を含んだ空気が外部側に流れるために、冬季間に壁体内結露を起こす可能性が高く危険です。

引用)換気装置の種類|アトム環境工学

ですので、屋根材や外壁材が低温になっている冬場にこの屋根裏換気を使用するのはやめておきましょう。

夏場、室外の温度が室内より低い時にのみ換気扇を回すというイメージで活用してもらえばいいと思います。

DIY屋根裏換気システムに関するQ&A

ここからは、この屋根裏換気システムに関していただいた質問についてお答えしていきます。

Q;換気扇が落ちてくることはありませんか?

今回自作した屋根裏換気システムは、本来換気扇を止めるものではないところに設置をしているので、「振動などによってネジが緩んで換気扇が落ちてくるんじゃないの?」という懸念があります。

ただ幸い、この換気システムを3年ほど運用していますが、換気扇が落ちてきたりしてきたことはありません。

ただ、「絶対に落ちてこないか?」と言われたら、「絶対に落ちてこないです!」とは言えません(笑)

「絶対」を求めるのであれば、屋根裏換気専用のしかるべき製品を購入し、ちゃんとお金を払ってプロに設置してもらい、その責任を製造者や設置業者に負ってもらうことをお勧めします。

でも、既製品を使ってちょっとでも安く、定期的に自分でねじの緩みなどを点検したり、ネジが緩んでこない工夫をしたり、例えネジが揺るんで換気扇が外れたとしても物理的に落ちてこない構造にしたり、そんなことを考えることが好きな人だけ、自己責任で自作するようにしてくださいね。

最後に一言

今回は、【DIY屋根裏換気システム】屋根裏の熱気を強制排気する方法についてお話しました。

この屋根裏換気システムを使ってみた感想ですが、思っていた以上に快適です。

常に外気が窓から流れてくるので、エアコンをつける機会が大分少なくなり、夕方は昼間に暖められた家の壁や屋根から室内が暖められていましたが、屋根裏や壁の内側に排気された風が通ることで家全体が冷却され、夕方から夜にかけて圧倒的に部屋の中が涼しくなりました。

エアコンの電気代の節約する為に取り付けたのですが、実際に使ってみると清々しい室内環境が実現できたことの方がメリットのように感じていますので、あなたも是非DIYしてみてくださいね。

それでは!

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